SE構法の現場検査です

台風などの天候の影響もあり、少し工事が遅れ気味です。。。

 

今回はSE構法の現場検査を行いましたので、その様子をアップします。

以前も何度かこのブログでご紹介していますが、SE構法では専任の管理技士による現場検査報告書が義務付けられています。

もちろん当社の現場は全てこの検査ルールに乗っとって自社検査を行っています。

 

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SE構法は構造計算によって決められた材料をプレカットされた状態で現場に搬入されます。

それを指定の金物と一緒に組み上げていくので、基本的に間違いはないのですが、それ以降は現場で施工することになるので、やはりしっかり現場で施工されているかは非常に重要です。

特に耐力壁として使用している構造用合板は、その耐力が数値通りに発揮できるようにルールが決めれているのです。

 

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釘を打つピッチ(間隔)も決められているので、このように施工後にチェックをします。

ちなみにこの耐力壁は75㎜ピッチでくぎを打つようになっています。

 

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この耐力壁は、外側は100㎜ピッチ、中央は150㎜ピッチで打つように設計されています。

この設計仕様通りに施工することで、計算上の構造耐力が発揮できるというわけです。

 

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釘の仕様についても決まっているので、仕様通りの釘を使っているというチェックもします。

 

このように、構造計算による安全性が、机上のままで終わらないようにしっかりと現場で施工していくことが私たちの義務であります。

そんなことはここで書かなくても当然なんですけどね…。

半地下の提案

東京都内の狭小地は、北側斜線や道路斜線のような法的な制限が厳しい土地が多く、建物の高さを充分にとることができないケースが多いのが現状です。

そこで、提案の一つとして「半地下」というアイディアがあります。

部屋を全て地下にするという完全な地下室となると、コスト的にも非常に高価になり現実的でなくなることが多いのですが、「半地下」という、ある一定の高さまでを地下に潜らせる手法であれば完全な地下室よりもコストは抑えられます。

それによって上部の建物に法的な余裕部分が生まれ、その狭小地に空間の自由度が広がるというわけです。

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この建物は3階建ての家ですが、玄関の奥が少し下がって半地下の居室となっています。

道路側は一部天井の低いビルトインガレージ部分となっていて、その段差を生かして「スキップフロア」の建物になっています。

 

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半地下にすることで、防音的にも効果があります。

この建物では、半地下部分はピアノ室として利用されています。

この作品事例の詳細はこちら

 

もちろん、上部の建物部分に比較するとコスト的には割高ではありますが、限られた敷地を最大に活用するという視点から考えると、充分に検討に値する提案だと思っています。

施工的にも簡単ではありませんが、印南建設ではこれまでの経験を生かして、ご予算や敷地条件を踏まえた上で必要と思われる方には積極的に提案をしています。

 

これも東京の狭小住宅の一例です。

竣工

クリーニングが完了しました。

スキップフロア・屋上ルーフバルコニー・半地下と見どころ満載の建物がいよいよ完成へと近づいてまいりました。

キッチン廻りの陰影のあるタイルも非常にきれいに仕上がりました。

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スキップフロアとなっているため各階のつながりがとても面白い表情となっております。

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今週末11月11日(土)・12日(日)には完成見学会を開催しております。

是非この機会にご覧頂ければと思います。

 

構造見学会の御礼

1月いっぱいで構造見学会を開催させて頂いておりましたが数組のお客様にご来場頂きました。

お越し頂きましたお客様には改めて御礼申し上げます。

今後も定期的に見学会を開催していきますのでご興味がありましたら是非ご連絡を頂ければと思います。

 

狭小住宅に取り組む理由

弊社が営業の拠点としている杉並区を中心とした都内のエリアでは土地価格が高く、広い敷地の土地を購入するのは困難かと思われます。

いわゆる「狭小地」での検討をされているお客様が多いと実感しました。

 

限られた敷地の中に最大のボリュームで且つ高さ制限等をクリアし、そんな中でも狭さを感じさせない快適な空間を提案しなければなりません。

設計者の経験値・技量が問われます。

また、施工に関しても同様に狭い中でも工夫をして、工事を進める経験・技術が必要になります。

このような理由があり、狭小住宅となると多くの建設会社はあまり前向きではないように思います。

 

多くのお客様が「狭小地」での検討を進めているのであれば弊社はそれに応えていかなければならないと考え、積極的に狭小住宅に取り組むことを決意しました。

 

弊社がコラボレーションしている設計士、そして弊社の施工スタッフは共に狭小住宅の経験が豊富にあります。

後は、いかに快適な空間を実現するかですがここでもやはりSE構法の技術が必要となります。

在来工法・2×4工法では耐力壁により部屋の間取り・サッシ等の開口制限がでてしまい、快適な空間を実現することが難しくなります。

SE構法なら少ない耐力壁で部屋の間取りが制限されにくく、大きなサッシの配置、大きな吹抜け空間等を耐震等級3にて実現する事が出来ます。

 

狭小住宅の問題点を経験豊富な設計士+施工スタッフ+SE構法により解消し、より快適な住まいをご提供させて頂きます。

 

狭小住宅をご検討の方は、お気軽にご連絡を頂ければと思います。

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設計事務所とのコラボレーション

今回は弊社が設計事務所とのコラボレーションを選んだ理由についてお話したいと思います。

まず家づくりを始める最初のプロセスとして業者選びがあります。

ハウスメーカー・設計事務所・工務店の三つがあげられます。

ハウスメーカーに関してはこのブログをご覧になっている方にはあまりご興味のない話かと思いますので今回は割愛させて頂きます。

まず、設計事務所の場合ですが建築の知識が豊富でお客様のこだわりを追求でき、且つ、オリジナリティーのある洗練されたデザインの建物を作ることが出来ます。

ただ、性能にこだわっている設計事務所は少なく、また実際に施工するのは工務店になるので図面が出来上がり、いざ見積をしてみると予算に合ないなんてことをよく耳にします。

金額を大幅に調整するとなると、仕様を著しく下げたりと、イメージ通りに建築できないケースが多くなります。

また、設計料も総工費の約10%程度が別に掛かります。

次に工務店の場合ですが建築の知識・こだわりを追求できる点は同じかと思いますが、一番の違いはデザイン力が不足している点が大きいと思います。

一概には言えませんが工務店の設計はあまりかっこ良くない・ダサいというイメージが私自身あります。

もし私が設計するとしてもやはり施工側の立場から納まりの良い物・施工しやすい物へ偏っていってしまうと思います。

これではデザイン的に高いレベルのご提案が出来ません。

 

そこで弊社は設計事務所とのコラボレーションを考えました。

工務店が不足しているデザイン力を設計事務所と組むことにより補い、お客様・設計事務所・工務店の三者で打合せをすることにより、金額を把握しながら進めることが出来るという良いとこ取りのスタイルです。

設計料の点では総工費の5%程度と、当然設計事務所に依頼するより安価な設定にしております。

これは、設計事務所と弊社が事前にお互いのコンセプトや施工内容を共有しているので、無駄な仕事量が減ることで実現できることとなります。

 

『弊社の施工技術と設計事務所のデザイン力により、耐震性の高いSE構法・SE構法と相性の良い外断熱の高性能住宅で洗練されたデザインの建物をお客様にご提供する』が弊社の考える家づくりです。

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SE構法について

前回は耐震についての話をしましたが今回はSE構法について話したいと思います。

まず、SE構法とは耐震構法とも呼ばれています。

柱と梁を剛接合とする木造ラーメン構法でRC造・S造で主流だったものを木造に取り入れた構法になります。

高層建築物にも昔から採用されており、その強度・耐震に対する信頼性は高いと言えます。

柱・梁には同じ素材の無垢材より高い強度を得られる集成材を使用しており、木造の弱点となる集成材の欠損も金物が入るスリット部分のみで最小限となっています。

接合部の金物は木の経年変化による乾燥収縮にも追従できるよう木にボルトをねじ込むことにより強い引き抜きにも耐えることのできる高い強度を実現しています。

また、前回もお話しましたが階数・㎡数問わず全棟RC造・S造と同じ手法の構造計算を実施しており、高い強度・耐震性を保ちつつも、大空間・大開口を実現することが可能となっています。

例えば、柱・壁を最小限とした開放的なリビング、大きな吹抜け、スパンを最大9mまで飛ばせるので車を3台並列で置くなんてことも可能です。

設計の自由度が高くなり、空間の自由度を追求しなければならない都心の狭小住宅ではこれが非常にメリットとなります。

また、構造体である柱や壁が最小限で済むという事は後々あるかもしれないリフォームの際にもメリットとなります。

『スケルトンインフィル』スケルトン(構造体)は寿命が長くまた、容易に変更も出来ないので耐震性・耐久性のあるスケルトンをしっかりと作り、インフィル(内装・設備・間仕切り)のスケルトンに比べ寿命の短い部分に可変性を持たせることにより建物を長く利用するの考えにより、将来のライフスタイルに合わせたリフォームが可能となります。

これは弊社のコンセプトにあります『資産価値の高い家』にも繋がります。

 

これらが弊社がSE構法を採用している最大の理由です。

耐震性の高いSE構法をより多くのお客様にお届けできるよう、今後も取り組んでいく次第です。

耐震について

首都直下型地震はいつ起きてもおかしくないと言われています。

本来お客様の命を守る家が地震による倒壊で凶器となってしまう。

そんなことがあってはならないと思っております。

そこで今回は耐震についてのお話をしたいと思います。

 

まず耐震とは地震に対して建物の破壊・損傷を防ぐ措置のこととあります。

読んで字のごとく地震に耐えるという事で、地震が来ても構造をガッチリと固くし、建物自体が大きく揺れないように守ろうと言う考え方です。

このほかにも地震の揺れを吸収し建物の揺れを軽減する制震と、建物に地震の揺れを伝えにくくする免震があります。

それぞれにメリット・デメリットがありますが、制震では制震壁は壁量に算入されず余計な壁が多くなり平面計画に支障きたす、免震では地震により建物が動くので狭小住宅には採用出来ない等の理由があり、弊社が考える住宅には支障が大きいと考え、地震による家具の転倒の問題、偏芯率による壁の配置に注意が必要等の問題点はありますが昔からの実績・信頼性もある耐震にこだわっていこうと考えました。

この強さの基準として、地震に対して建物の倒壊・崩壊のしにくさを表示する耐震等級という指標があります。

等級1~3まであり、等級2は等級1で耐えられる地震力の1.25倍の力に対して倒壊・崩壊をしない程度を示しており、等級3では等級1の1.5倍の力に耐えることが出来ます。

建築基準法では耐震等級1以上、長期優良住宅での耐震等級は2以上とされていますがなぜ等級3があるのにそうしないのか疑問に思っていました。

そこで弊社では最高等級である1.5倍の力に耐える事が出来る等級3を標準採用することにしました。

 

また、木造の建築物では2階建て以下、500㎡以下の建物では構造計算の義務はありません。

4号特例と言われ、設計士の判断に任せられています。

設計士が良しとすれば確認申請も通り、建築出来るという事です。

RC造やS造では当たり前のように行われている構造計算がなぜ木造では行わなくても許されているのか。

弊社ではこんな曖昧な事でお客様の命を守る家を作るのはおかしいと考えました。

そこで採用したのが耐震構法であるSE構法になります。

SE構法の建物では2階建て以下、500㎡以下であろうと全棟構造計算を実施しています。

また、RC造やS造と同じ手法で構造計算を実施しているのでその信頼性は間違いありません。

 

いつ起こるかも分からない首都直下型地震と言われていますが弊社ではこの地震にも耐えうる「耐震住宅」をお客様にご提供出来ればと考えます。

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断熱工法

木造住宅の断熱工法としては充填断熱工法か外断熱工法のどちらかになってくるかと思います。

充填断熱工法とは柱と柱の間に断熱材を敷き詰めていく工法です。

木造住宅では一般的で、コストも安いため広く採用されています。

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外断熱工法とは建物の外側を断熱材の箱ですっぽりと覆うイメージの工法です。

柱・梁部分に関してもその外側に断熱材があるので切れ目なく、連続して張ることが出来ます。

コストは充填断熱より高くなります。

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それぞれにメリット・デメリットはありますが断熱性能の数値(UA値)だけを考えると、サッシとの組み合わせ・断熱材の厚み等を考慮すれば、充填断熱・外断熱どちらの工法にしても数値を上げることは出来ます。

断熱性能も大事ですが弊社では木造住宅の耐久性を考慮し、結露の防止にも重点を置いています。

結露=水ですので木造住宅では耐久性が著しく低下してしまいます。

充填断熱の場合には室内側の防湿シートをしっかりと施工しないと壁の中に湿気が入り込み、断熱材の中で温度変化が生じ、壁体内結露が発生してしまいます。

前述した通り、防湿シートをしっかりと施工すれば問題ないのですがスイッチ・コンセント・設備配管等様々な障害物がある中、隙間なくしっかりと施工するのは容易ではありません。

外断熱の場合には建物の外側に断熱材を張っているので温度変化は建物の外側(断熱材の部分)で起きます。

壁の中に湿気が入り込んでも温度変化が生じるのは建物の外側なので、壁体内結露の防止となります。

また、柱・梁部分の断熱材欠損もないため、壁面体感温度の均一化にも繋がります。

さらに弊社が採用しているSE構法では柱・梁の接合部に金物を使用しますが金物の結露防止にもなります。

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断熱性+建物の耐久性まで考慮すると外断熱工法が一番と考え、弊社では標準仕様としています。

次回は耐震性のお話をしたいと思います。

 

 

耐震住宅100%全国大会

昨日、第3回耐震住宅100%全国大会に参加して来ました。

著名な方の基調講演もあり、改めて耐震性の重要さを痛感しました。

これからも『2020年までに耐震住宅を100%にする』を目標に活動を続けていきたいと思います。