半地下の提案

東京都内の狭小地は、北側斜線や道路斜線のような法的な制限が厳しい土地が多く、建物の高さを充分にとることができないケースが多いのが現状です。

そこで、提案の一つとして「半地下」というアイディアがあります。

部屋を全て地下にするという完全な地下室となると、コスト的にも非常に高価になり現実的でなくなることが多いのですが、「半地下」という、ある一定の高さまでを地下に潜らせる手法であれば完全な地下室よりもコストは抑えられます。

それによって上部の建物に法的な余裕部分が生まれ、その狭小地に空間の自由度が広がるというわけです。

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この建物は3階建ての家ですが、玄関の奥が少し下がって半地下の居室となっています。

道路側は一部天井の低いビルトインガレージ部分となっていて、その段差を生かして「スキップフロア」の建物になっています。

 

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半地下にすることで、防音的にも効果があります。

この建物では、半地下部分はピアノ室として利用されています。

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もちろん、上部の建物部分に比較するとコスト的には割高ではありますが、限られた敷地を最大に活用するという視点から考えると、充分に検討に値する提案だと思っています。

施工的にも簡単ではありませんが、印南建設ではこれまでの経験を生かして、ご予算や敷地条件を踏まえた上で必要と思われる方には積極的に提案をしています。

 

これも東京の狭小住宅の一例です。

スキップフロア

東京の狭小住宅では、北側斜線や道路斜線などの法的制限が厳しいこともあり、空間提案の一つとして「スキップフロア」という設計手法がよく上げられます。

特に1階がビルトインガレージであるケースや、半地下になっていたりするケースでは、異なる天井の高さを調整する意味でもこの「スキップフロア」は有効です。

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上記の画像は、当社による設計施工のスキップフロアの3階建て住宅です。

半地下の部分をうまく生かしつつ、スケルトン階段をデザイン的に魅せる上でもこのスキップフロアは有効な空間提案となっています。

 

しかしながら、これは構造的にしっかりと検討しないと建物の耐震性を下げることにもなりえます。

特に一般の在来木造には明確なルールがないので、安易にスキップフロアにすることはお勧めしません。

一方、当社の採用している「SE構法」は、鉄骨やRCと同様の「許容応力度構造計算」を行っているので、安心してスキップフロアの家を設計することができます。

SE構法の構造計算の詳細はこちら

 

現在施工中の板橋区のT様邸もスキップフロアの建物です。

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この現場も構造計算によって安全性を検証した「SE構法」の構造躯体です。

完成すると面白い空間となることでしょう。